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雨水タンクを設置してみた  

今年になって思うのが、雨が多いということ。
とにかく、良く降る。

そんな雨を眺めていたら突然閃いた。

「雨水タンク設置したら、庭木の水遣りの節約になるんじゃね?」

ネットを検索してみる。
でるわでるわ。近年のエコブームのせいか、雨水タンク設置関連記事がいろいろ出てくる。

完全に、興味と言う蟲に取り付かれる僕。

次に、気象庁のサイトから当地の過去10年間の月別降水量を調べてみる。
それを基に我が家の屋根面積で計算すると、月平均8トンの雨水が溜まることが分った。

ええー?!8トン?!それが無駄に流れていたのか。もったいねー。

よーしパパ、雨水タンク設置しちゃうぞ!
と思い立ったのが3月。
ちょこちょこと部品を集めながらこのゴールデンウィークに完成したので記録メモ。
さて、設置するに当たって一番の難関がオカン
ま、攻略法は分っている。


鳥頭はセツヤクを唱えた!
オカンは目をキラキラさせてうなずいている。


攻略完了。
ちょろい。

設置するタンクはネットで見つけた220リットルの丸いタンク。食品関係の廃品らしい。
雨水タンク」として売られている概観も考慮された商品で、200リットルと言うとかなりの金額になる。
それが数千円なんだから安いよね。これに決めました。

当初は竪樋のすぐ横の軒下に設置しようと考えておりましたが・・・
その話をしたらオカンがまあ喚く喚く。

やっぱりラスボスだった。

ギャースカギャースカゲキオコプンプン!!
よくも設置場所の相談だけでそこまで騒げるなと思うほど「ヤダヤダ!」の一点張り。
まあ、確かに狭い庭に置くにはちょっと邪魔な大きさではありますが・・・。

ところで、
屋根から縦に伸びる雨樋を「竪樋」と書きますが、「縦樋」じゃないの?
と思って調べてみたら、「竪」には「地面に対して垂直方向」という意味があるようです。
(例)竪穴式住居
対して「縦」は横に対しての垂直方向。
つまり、「竪」は「天地」方向にのみ使えて、「縦」は向きに縛りはない。
(例)縦横に張り巡らされた道路
結論、雨樋は「竪樋」「縦樋」どちらでもよいが竪樋と書くとなんか格好いい

脱線復帰。

で、結局あてがわれた場所は庭の片隅。軒下から離れた柵際。
竪樋とタンクの間を人が通るので、考えなしにパイプを渡すことはできない。

さらに、大きな問題がある。
軒下からちょっと離れた場所ということ。
この場所は、ちょうど屋根に積もった雪が落ちてくる場所なのです。

年に1回程度とはいえ、その一回の破壊力はあなどれない。
2014年2月の落雪では物置が破壊されてしまった。
まあ、そのレベルの雪は当地では異例中の異例で対策のしようがないが、無策と言うわけには行かない。

そんな事情もあって、何度も構想しては「いやダメだ」を繰り返して時間がかかりました。

当初は落雪対策として、竪樋から分岐した後地中を通ってタンクに接続。タンクは小屋に格納する方法で取り組みましたが、その場合、必ず配管内に水が残ることになる。

冬、凍結したら問題が起きないか?

と言うことが気になってヤメ。

で、いろいろ考えた結果、シンプルに竪樋から頭上の配管を通ってタンクに導水。給水とオーバーフローを同じ配管で行う方法にしました。
オーバーフローと言うのは、タンクがいっぱいになったときにあふれ出る水のことで、処理方法としては、

(1)タンクからだだ漏れにする
(2)排水口を作りそちらから排水する
(3)給水経路が水で一杯になることにより、取水器で新たに水を取らずにそのまま排水する

というのがあります。
(3)番の場合は、タンク、取水経路が密閉されていなければなりません。また、取水器がオーバーフロー対応でなければなりません(市販品は基本対応してると思う)。
今回、私は3番の方法にしました。

完成予想図がこちら。
ameTank_20.png
取水器を地上2.5mの位置に設置、そこから軒下沿いに約1m配管、90度曲がって藤棚に沿って約2m配管、そこから防藻ホースで小屋内タンクに接続です。

タンクを囲う小屋も手作り。どれぐらいぶりか分らないほど久々にトンカチを振るいました。
小屋を作った理由は雪対策だけではなく、タンクが派手な青色なのでそれを隠すためと、日光がタンク内に入ってが繁殖しないようにするため。
配管、タンク共に日光をさえぎる対策が必要です。そうでないと藻がわいて配管が詰まったり、腐敗して臭ったりします。


さて、構想がまとまったらあとは作業をするのみ。
なんですが、取水部分で結構手間取りました。
というのも、雨樋には砂土、枯葉や虫の死骸などが流れることがあり、集水器によっては目詰まりを起こしやすく手入れが必要になる。
しかし、今回、集水器を付ける場所が結構高いため手入れがしにくい。

そこで、まず取水器の選定。
手入れを減らす形状のものがいい。
ということで、雨樋内径が狭くなるドーナツ型ではなく、ゆとりのある口径で迂回排水させる「アメポイント」という製品にしました。

で、今回一番苦労したのはここ!
このアメポイントですが、フィルターとしてスポンジが付属されています。
通常ならとても便利だと思うのですが、手入れしにくい場所に設置するので目詰まりの原因になるスポンジは使わないことにしました。
しかし、何もないと、枯葉やセミの死骸が取水パイプに詰まる恐れがあります。
ということで、ここでめっちゃ苦労することにします。
100円ショップで直径6cmのシンクフィルターを買いました。
ameTank_01.jpg
これの底の部分を上にして「目の粗い」フィルターを作ります。
枯葉や虫の死骸のような大きなごみを止めて、そのまま排水に流す。
目詰まりを起こしやすい砂・土埃はあえてタンクへ流す。
という狙いです。
そのための加工が必要ですが、これが大変。
アメポイントの中に入れるため、直径を狭めないといけない。
スポンジからおおよその内径を推定し、「余分な長さ」分の切れ込みを底に入れる。
ちょうど、パックマンの口のような切れ込みを作るのです。
パックマン

しかし、ステンレス製のため、かなり硬い。金鋸でゴリゴリやるのは大変そう。
そこで、ダイソーで購入したミニルーター用円盤型切断砥石を電動ドリルに無理付けして削ることに。

円盤砥石4枚セット。
ameTank_17.jpg

本来は別売り器具用だが、長いネジで固定して
ameTank_18.jpg

ドリルにかます。
ameTank_19.jpg

4枚セットの砥石3枚を使ってようやく切断。時間は二時間ほどかかったかな。

横の網かごを塩梅良く切断して試行錯誤の末なんとかセット完了。
ameTank_02.jpg
中央の針金は取り出すため。
その横の針金は切り口を閉じるため。
ε- ( ̄、 ̄A) ふぅー

次に、タンクのキャップの中央に穴あけ。切断した塩ビパイプをぷすー。
ameTank_03.jpg

ナイフで穴を削り開けたので隙間が目立つ。水漏れしないように内側からシリコンシーラントで封印。
ameTank_04.jpg

シンク用不織布フィルタを二重にセットしてキャップを閉める。
ameTank_05.jpg
そう、集水器であえて流した小さなごみをここで拾うことでメンテナンスを楽にする考え。

おっと、今回「パイプカッター」というものを買いました。
ホームセンターで塩ビ管を購入したとき、スタッフがパイプカッターを貸してくれたんです。
それがあまりにも便利だったので、今後使う予定はないが、今回のためにポチー。
パイプカッターワンタッチロックタイプ L-50
今回ポチッたパイプカッター

これがなかなか便利で、赤丸部部のボタンを押すと
ameTank_06.jpg
カッター部分が「シャキンッ」と開く。
ameTank_07.jpg
ボタンを押したままヘッド部分を押すとカッターが下りてくる。いちいちヘッドを回す必要がない。

で、パイプの切りたい部分に刃を合わせ、少しヘッドを回して圧を掛ける。
ameTank_08.jpg

そのままカッター本体をぐるりと周回させると溝ができる。
ameTank_09.jpg
後は少しずつレバーを回して刃を食い込ませ、回転する。
塩ビ管なら3回転ぐらいでスパッと切れる。
※なにやら切り口が汚く見えるが、これは私が黒のラッカースプレーで着色したためそれがはがれただけ。


さて、具材が揃ったので設置。
土台の水平出しで苦労した後、タンクをドン!
小屋をドン!
遮光シートをビロ~ン。
ば~ん!
ameTank_11.jpg

前面は開閉できるようにしたいので、100円ショップでこんなのを買いました。
ameTank_12.jpg

で、遮光シートをブラー。
ameTank_13.jpg

取っ手部に古い支柱をパイプカッターでカットしてセット。
ameTank_14.jpg
小屋の柱部分に100円ショップで売ってる強力磁石をビニールテープで固定して、磁石の力で支柱を留める。

完成!
ameTank_15.jpg


雨後、蛇口開放!
ameTank_16.jpg

水が出る様子を見てニヤニヤしたのは言うまでもない。


【雨水タンクを設置して一ヶ月の感想】
●童心に帰れる。強い雨が降り出したら外に飛び出し、タンクと雨樋交互に耳を当て音を聞いてニンマリしている自分がいる。
●雨が楽しみになる。
●水遣りも楽しくなる。
●普通に雨が一晩降れば余裕で満タンになる。弱い雨でも意外と溜まる。
●我が家には容量が小さい。5月は雨が降る日が少なかったので水切れでしょんぼり。


■まとめ■
ガーデニングしている方にはめっちゃオススメ!
設置するサイズは降雨量、屋根面積、使用量によってさまざまですが、近年、晴天続きの後一気に雨が降るパターンが増えているので、可能なら大きなタンクを設置したいところです。

パイプカッターワンタッチロックタイプ L-50
パイプカッターワンタッチロックタイプ L-50

アメポイント
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