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ブルーベリーや土壌、肥料に関して覚えたこと  

ブルーベリーを栽培するに当たって調べたことをここにまとめておく。
たぶん、ここにまとめたことを忘れるだろうが、それはどうしようもない。
■ブルーベリーの種類
日本で栽培するブルーベリーには大きく3つの種類がある。

ノーザンハイブッシュ(Northern Highbush)】
北部ハイブッシュ。
木はそれほど大きくならず1.5m程度。
食感、味、粒の大きさに優れた優秀な果実を付ける品種が多い。
寒さに強い反面、暑さに弱い。
また、強酸性で排水性の良い土壌を好み、環境適応能力は低い。
リンゴ栽培ができる地域向き
晩生品種は酸味が強い傾向がある。
地域差はあるものの、全ての品種が梅雨時に収穫期を迎える。果実を雨に当てると裂果したり味が落ちたりする。また、すす病や灰色カビ病も発生しやすい。
いろいろと日本には向いていない品種のような気がする。

ラビットアイ(Rabbiteye)】
実が熟す前にウサギの目のように赤くなるからラビットアイ。
ハイブッシュより背が高く、2mを超えるものも。
暑さに強い反面、寒さに弱い。
ミカン栽培ができる地域向き
土壌適応能力に優れ、ハイブッシュほど気を使わなくても育つみたい。
果実はノーザンハイブッシュより甘みが強い品種が多い。しかし、味は甘みと酸味の調和なので、総合的な食味はノーザンハイブッシュのほうが良いようだ。
また、種のザラザラ感がある品種が多いのもラビットアイの特徴。
ノーザンハイブッシュの収穫が晩生種でも7月中旬ごろまでなのに対し、こちらは9月ごろに収穫できる品種もある。

サザンハイブッシュ(Southern Highbush)】
南部ハイブッシュ。
ノーザンハイブッシュと暖地系野生種の交雑種。両方の良いとこ取り品種。
木はそれほど大きくならず1.5m程度。
暑さに強く、寒さにもある程度適応できる。日本の広い範囲で栽培可能なようだ。
土壌適応能力も高い。
果実のことは良くわからない。結構良い実が採れる説明も見るが、ノーザンハイブッシュレベルの果実が収穫できるなら、日本でノーザンを育てる人いなくなるよね。ということは、果実はノーザンのほうが上か。


■受粉
花は両性花
ハイブッシュ系は自家受粉性があり、一本だけでも実がなる。
しかし、ラビットアイ系は他家受粉性で、同系異品種を揃えないと実がならない
ハイブッシュ系も異品種を二本以上用意したほうが実の付き、大きさともよくなるらしい。
※注意※
ラビットアイとハイブッシュを揃えても意味がない。
ラビットアイのA品種とB品種というように、同系の異品種を揃える必要がある。


■ていおん!!
果樹類が休眠覚醒するためには低温に一定期間さらされる必要があるのですが、それをわかりやすく数値化したものを低温要求時間といい、7.2℃という低温にこの時間さらされる必要がありますよと言うものだそうです。

【ノーザンハイブッシュ】
800~1,200時間
【ラビットアイ】
600~800時間
【サザンハイブッシュ】
400時間以下

厳密には品種ごとによって違うのです。


■土壌
ブルーベリーはツツジ科の仲間で、酸性土壌を好む。
その中でもノーザンハイブッシュは特に強い酸性土壌を好み、ph4.3~4.8が最適。
他はph4.5~5.2程度。
また、有機質に富んだ土壌を好む。
ということで、強酸性有機質土壌を作るため良く用いられるのがピートモス
注意点としては、酸度調整されたピートモスが販売されているので、それを購入する場合は酸度を確認する。もしくは、無調整(未調整)ピートモスを購入する

それと、酸度以上に重要といわれるのが水の管理。
ブルーベリーの根は浅根性で乾燥に弱い。しかし、いつまでも冠水したままのような環境では根ぐされするので排水性がとても重要となる。
そこで良く用いられるのが鹿沼土。弱酸性で排水性が良い。ピートモスに混ぜて使う。しかし、赤玉土と同じく型崩れするので長期間の使用には向かない。潰れると粘土となり排水性が酷く悪くなる。


■ピートモス
ミズゴケなどが長い年月をかけて水中に堆積、腐植化した泥炭。腐食酸により強い酸性を示す。
北海道産、カナダ産、サハリン産、ヨーロッパ産が有名。
製品によって繊維の長短、不純物(木枝など)があるが、ブルーベリーに利用する場合はどれがいいかは作り手の好み次第。
短繊維はふかふかした土壌になり保水性に優れる。反面、微生物による分解が早い。
長繊維や不純物が混ざったものは微生物による分解に時間がかかり長持ちする。反面、水はけが良過ぎて乾きやすい。
鉢植えの場合ミミズが入らないように注意。短期間で食べられ泥状になり根ぐされの原因になる。


■肥料
ブルーベリーはあまり肥料を必要としないらしい。
骨粉入り油粕を使う人が多いみたいだが、私のような素人はブルーベリー専用肥料を使うのが無難か?
化成肥料を使う場合は窒素成分の確認をしたほうがいい
ブルーベリーはアンモニア態窒素を好むが、化成肥料は硝酸態窒素の割合が多いものが多い。
窒素の内訳で「内アンモニア態窒素○%」と書いている場合は、その割合が半分以上あるものが望ましい。

それ以外にも石灰に注意。
酸性土壌を好むブルーベリーに石灰(消石灰、苦土石灰、有機石灰)は禁物。一般的な園芸用石灰はアルカリ性なので中和されてしまう。
ブルーベリーにどれほどカルシウムが必要なのかわからないが、石灰を施肥する場合は硫酸カルシウムというものを使う。これは石膏の主成分。
なるほど、硫酸と結びついているので土壌酸度が上がることはなさそうだ。
もし、これを施肥したいと思えば、石膏ボードの切れ端を突っ込んでいたらいいのだろうか?


■窒素について
窒素といえば植物の三大栄養素のひとつ。
なんでも、窒素にはアンモニウム態窒素と硝酸態窒素という形態があるらしい。
植物や動物が腐敗するときにまず、アンモニウム態窒素ができ、それが土中の硝化細菌によって硝酸態窒素となる。
そして、一般的に植物はこの硝酸態窒素を吸収して成長する。
しかし、ブルーベリーはアンモニウム態窒素を好む性質があるようです。
というのも、硝化細菌は強い酸性土壌では仕事ができない。ですので、ブルーベリーの好む土壌では硝化が進まず、アンモニウム態窒素が多くなるのでブルーベリーはそれを吸収するようになっているのでしょう。
ちなみに、アンモニア態窒素は土に固着する性質があり、硝酸態窒素は水に溶けやすい性質がある。
したがって、硝酸態窒素は植物に吸収されやすい反面、雨や散水で流れやすいといえる。


■サッカーとシュート
どう見てもスポーツ用語です。本当にありがとうございました。

ではなく、ブルーベリーは横に伸びた根っこから芽が出ることがあるらしい。これをサッカーというそうだ。
そして、すでに木になっている根元から新しく出る芽をシュートというそうだ。


■植木鉢
ブルーベリー愛好家はスリット鉢というものを好んで使っているようです。
スリットスカートのスリットです。
つまり、植木鉢の側面に切れ込みがある鉢です。
このスリットから光が入ることで、根が光と反対、つまり鉢の中心に戻るように伸び、植木鉢全体に根が回る効果があるそうです。
さらに、排水性が良くなる効果もある。というか良くなりすぎるので、夏場は水切れに注意が必要のようです。

実物を店舗で見ましたが、ほんとにただ切れ込みが入ってるだけですね。
手元にある植木鉢の側面をのこぎりで切るだけでスリット鉢になりそうです。


■病害虫
ほとんど気にしなくていいようです。
しかし、イラガがつくそうです。
アイツ嫌い。
見た目キモイし毒が酷い。

あと、鉢植えの場合はコガネムシの幼虫には注意が必要ですね。ブルーベリーが好む有機質土壌はコガネムシの幼虫にとっても格好の餌場。すぐに産卵されるようです。
それにしても、コガネムシの幼虫が害虫だなんて知らなかった。


■マルチ
賛否両論のあるマルチですが、ブルーベリーはマルチ支持の書き込みが多い気がします。
ここでは鉢植えに限っての話でまとめます。
マルチをしている方でもビニールマルチの記述は見た記憶がない。
皆さん植物由来(特にバークチップ)のマルチをしています。
あと、賛否の意見としては、

【必要派】
・ブルーベリーは乾燥に弱いので絶対必要。
・針葉樹チップはコガネムシ避け効果がある(保証はない)(広葉樹は逆に呼び寄せる)。
・バークチップは見た目がおしゃれ。

【不要派】
・植木鉢表面からの蒸発量はたかが知れている。マルチ分の容量の土を盛ってあげたほうが良い。
・乾燥確認や施肥がやりにくい。
・バークチップ高っけー。単なる木のかけらだろ?


■バークチップ
樹皮のかけら。
私がいろいろ見た限りでは、バークチップというと針葉樹、特に松の樹皮でできたものと思っても問題なさそう。
ウッドチップという呼び方の場合は広葉樹などいろいろ。
とりあえず、高い。
見た目以上に高い。
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